スク玉ブログ
【高校数学③】独学で数学を進めるときの注意点
独学で数学はどこまで進める?
~“自分で進める”子が落ちやすいワナと、親ができる一歩先の見守り~
こんにちは。スクール玉野の國立です。
前回までの記事で、高校数学は「自学」で進める力がカギになること、そして保護者の役割は「教えること」ではなく「整えること」だとお伝えしてきました。
さて今回のテーマは、「独学」です。
高校生になると、「先に進めたい」「学校の授業はペースが遅いから自分でやる」という子が出てきます。とても頼もしい反面、独学には“落とし穴”があるのも事実。
今回は、独学で数学を進めようとする子にありがちな失敗パターンと、それを防ぐために家庭でできるサポートのかたちについてお話しします。
■ よくある独学の失敗
問題が解ける=理解したと思い込む
数学を独学で進めている子がよくやってしまうのが、
- 「答えが合ってるからOK!」
- 「解説を読んだらわかった気がする!」
という“解けたら理解した”症候群です。
これは、非常に危険です。
数学は“再現”できて初めて理解したと言えます。
つまり、「同じタイプの問題を数日後に何も見ずに解けるか」「友だちに説明できるか」が、真の理解の証です。
ところが独学だと、この確認作業が抜けてしまうことが多いのです。そして、“わかったつもり”で次に進み、テスト前になって「あれ?これどうやるんだっけ?」と焦ることに……。
■ 「青チャートを独学でやりたい」は間違い?
保護者の方から時々こんな質問をいただきます。
学校で青チャートが配られたので、自学で先に進めたがっています。やらせた方がいいですか?
答えは「本人のレベルと目的によります」。
青チャートは、白チャートに比べて解説があっさりしており、問題の量が圧倒的に多い。名古屋大学(二次試験で数学がある)や名古屋工業大学を目指す生徒向けの教材というと伝わりやすいのではないかと思います。
中学校の頃から数学に自信があり、解法の意味や背景を自分で調べながら進められる子には良い教材です。
でも、白チャートすら「読んで理解する」より「なんとなく答えを見る」クセがあるような子にとっては、青チャートの独学は9割以上の確率でほぼ挫折します。
独学を進めるなら、最初の1冊は「白チャート」や「教科書傍用のワーク」など、“読んでわかる”教材から始めるのが鉄則です。
■ 独学の鉄則は「1単元=1週間完結」
独学で進める場合、1つの単元をずるずる1ヶ月かけるのは避けたいところ。
おすすめは、1単元=1週間で完結させるやり方です。
例:数Ⅰ「2次関数」の単元を進めるなら
- 月曜:白チャートの例題だけを“読む”
- 火〜木曜:基本例題を数問ずつ“自分の手で解く”
- 金曜:できなかった問題を“言葉で説明”して再チャレンジ
- 土曜or日曜:1週間分の内容を“口頭テスト形式”で見直す
この1週間サイクルを崩さず、進められる子は独学で伸びていきます。
■ 自学は「迷っていい場所」を確保してあげること
独学には自由がありますが、自由には“孤独”もつきまといます。
・自分の進め方が正しいのか?
・これで間に合うのか?
・今やっている参考書は合っているのか?
そんな不安を抱えながら、それでも前に進むのが高校生の自学です。
だからこそ、親がしてあげられるのは、「迷っていい場所をつくること」。
- 必要な教材や動画の情報を集めておく
- 時々声をかけて“話を聞く場所”を用意する
- 本人が「ちょっと不安」と感じたときにすぐ動けるように、見守っておく
この“半歩後ろ”のスタンスが、最も効くサポートです。
■ まとめ:独学は「自由」+「検証」
独学の最大のメリットは、ペースも内容も自分で決められること。
でも、最大のリスクもそこにあります。
進め方が間違っていても、誰も止めてくれない。
だからこそ、自学には“自己検証の習慣”が必要です。
- 自分で「分かった気になっている」部分はないか?
- 本当に「再現できる」か?
- 問題が“解ける”だけでなく、“語れる”か?
そして、保護者がその検証を一緒にしてあげる必要はありません。
情報を集めて見守り、“いつでも寄り添える場所”でいること。
それが、独学を応援する最高の伴走です。
次回は、シリーズ最終回「数学ができる子に共通する“日常の習慣”」についてお話しします。
塾でも学校でもなく、日々の中で“数学脳”を育てている子の特徴を掘り下げてみましょう。

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